店番日記(音楽・旅・ごはん)

イタリア雑貨店トレンタの店主zunkoのイタリアじゃない日常のひとこまをお届けします

ロックとフェンスの向こうのアメリカ

~ 独立記念日に思う、音楽と記憶の話 ~

7月4日、アメリカ独立記念日。
日本で暮らしているとあまり実感はないかもしれませんが、私にとっては少し特別な日です。
なぜなら、私は横田基地に比較的近い場所で生まれ育ったから。
(いまも車で数分のところに住んでいます)
フェンスの向こうに広がるアメリカの文化は、遠い異国のものというより、“隣にあるもうひとつの世界”のようなものでした。

🎧 ロックとの出会いは、あの夏の花火とともに

高校生の頃、仲の良かった友人がいました。
彼は小学生の頃からギターを弾いていて、アメリカ文化が大好き。
友人の家は、フェンスを隔てた向こうはアメリカという場所でもありました。
私たちは一緒に横田基地のフェスに出かけて花火を眺めたり、国道16号沿いに並ぶアメリカンな雑貨が並ぶショップを見て回ったり、放課後を飽きることなく過ごしていました。

そんな彼がある日、「聴いてみて」と差し出してくれたのが
WHITE LIONの「Wait」 という曲でした。
当時、私はロックというジャンルにほとんど触れたことがなくて、初めて聴くサウンドに少し戸惑いながら、でも気づけば何度も繰り返し再生していました。

切ないメロディと、凛としたギター。
どこか熱を秘めた、少年の声のような独特なボーカル。
すでにバンドは解散してしまっていたけれど、彼の思い入れがその音を通して伝わってきた気がします。

それが、私がHR/HMに出会った最初の瞬間でした。

🎸LAメタルという“楽しさ”の衝撃

そこから私は彼にいろんなバンドを教えてもらいました。
DANGER DANGER、WARRANT、CINDERELLA…。
どれもキラキラしていて、エネルギーに満ちていて、聴いているだけで元気になれる音楽たちでした。

なかでも印象的だったのが、DANGER DANGERの「Rock America」
イントロから弾けるような明るさ、無条件に体が動き出しそうなリズム。
どこか無邪気で、肩の力が抜けたような自由さがありました。

ただただ「楽しい!」って気持ちになれる音楽。
それがLAメタルの最大の魅力なんだと思います。

あの頃、部屋でひとりCDをかけながら感じていた高揚感は、
今も曲を聴くだけで鮮やかに蘇ります。

🧩今の私は別の世界にいるけれど…

今の私はイタリア雑貨店を営んでいます。
表面的にはロックとは真逆の世界かもしれません。

でも、自分が何かに惹かれるとき、
「好きって気持ちを止められない」
「あえて説明できないけど、気持ちが動く」
そんな感覚を大事にしているのは、昔と変わらない気がします。

LAメタルだって、イタリア音楽(LIGABUEやGianluca Grignaniだって(時にはクラシックだって!)気持ちは上がります♪
そういう意味では、好きな雑貨や音楽に出会うたびに
私はきっと、10代の頃と同じように“ときめいている”んだと思います。

🎆 7月4日、ロックと一緒に迎える花火の夜

アメリカの独立記念日。
この日はいつも、横田基地から花火が上がります。
私にとっては夏の始まりの合図のようなもので、これを見なければ夏がはじまらないと言っても過言ではありません。

そして、花火を見ながら思い出すのは高校生の時に出会った音楽としてのアメリカ、LAメタル。
WHITE LIONの「Wait」は、私にとっての原点。
DANGER DANGERの「Rock America」は、あの頃の無邪気な気持ちを思い出させてくれる。
そして、たぶん私は今でも…
そんな音楽に背中を押されながら、日々を楽しんでいるのかもしれません。

White Lion – Wait

Danger Danger – Rock America

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